ミドリ草BLOG

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擦り切れそうな人間関係摩擦と経営者のワガママ暴言に辟易としつつ自己嫌悪と闘いながら今日も自立を夢見て

予備校は戦場だ。

3,000文字チャレンジ5回目

 

テーマは「私を熱くさせたもの」

 

私は多分、本質的に「戦う」事が好きな性分です。部活では剣道に明け暮れ、毎日のように『勝負』を体験する事が何より快感でしたし、社会人になってからはプレゼンテーションの機会があれば誰よりも先に手を挙げ、競合と戦う事を楽しんでおりました。

しかし、「戦い」なら何でも好きという訳ではありません。所謂 ”ギャンブル性” の高いバトルは好きではない為、賭け事の類は一切手を出しません。テレビゲームでは格闘系に興味を示さず、専らロールプレイングゲーム一本です。俺TUEEEが確保されないと純粋にストレスが溜まります。

つまり私は「勝負」が好きという訳でなく「戦い」それ自体のストーリー性と、積み上げた者が勝つという公平な法則が働く事に胸が熱くなるタイプなのです。

 

そんな私を何より熱くさせるもの…。それは「資格の予備校」です。

(以下単純に”予備校”と称します)

 

資格の予備校TACの回し者ではありませんが、私自身TAC様には非常にお世話になりました。そして今現在も通わさせて頂いております(通算4年目)。

予備校に通い続けるには費用も時間もかなり掛かります。講義は原則週1回、休日の9時から夕方4時まで行われます。通学の時間も加味すると休日の1日が確実に失われます。平日と残りの休日の全ては翌週の戦場に向かうための準備、所謂勉強に費やされます。文具代や昼食代もバカになりません。こういった時間とお金という戦場に払われるコストに関して毎回家族を説得し、その都度呆れ顔をされ、半ば無理をしてまで受験生活を続けるのは、其処にこそ自分が理想とする「戦場」が在るからに他なりません。

 

私の大好きなTAC様データによると、現在TACで受講できる資格についての全国受験者数は約258万人(2017年度)であり、これは大阪市の法定人口約269万人に肉薄する数字です。TACで受講できない資格試験に挑む人数も加味すれば、毎年いかに沢山の人間が戦いに挑んでいるのかお分かり頂けるでしょう。

また、例えば社会保険労務士資格試験では受験者数が38,427人、合格するのは6.3%の2,413名(平成30年度)でした。並居る猛者を退けて上位6%に入った者が勝ったという訳です。

資格試験とは他者より積み上げた量が多い人のみ勝者となる単純かつシンプルな法則が働く戦いです。戦う為の準備も「勉強」のみと、これまた分かり易く潔い要素しか無いのが魅力です。

とにかく他人より高く高く知識と理解を積み上げるのみ。普段は泥臭く机に噛り付き、覚えの悪い頭を呪いつつ悪戦苦闘する毎日ですが、予備校という戦場に於いて私は自分なりの ”コダワリ” を以てムネアツな戦いに挑みます。

戦いが好きな者は戦場に於いて各々、並々ならぬ “コダワリ” を持っているものです。私も御多分に漏れず予備校での受講に関しては物凄い自分流の”コダワリ”があります。

 

コダワリとはつまり「ルール」其の物。私は今でも自ら課した以下のような数々のルールを遵守しております。

 

<ルール其の1>受講に持ち込むツールはその日使うテキストと筆記用具のみ。

 

教室を見回すと、持参物は皆それぞれ違います。例えばその日は絶対に使わない問題集や六法、バインダーや昨年使用したであろうテキスト等々を机いっぱいに広げて受講する人、水筒とお菓子を机に並べ飲食しながら受講する人等々、個性が現れます。

どのスタイルが良い悪いと言った話では無く、私は戦場に於いての潔さを”美しい”と思ってしまう変態なので、自身の持ち物は常にシンプル、少数である事を良しとしています。

 

<ルール其の2>テキストは蛍光マーカー塗れにすべし。

 

”敵を知り己を知れば百戦危うからず”という諺に則り、先ずは予習絶対主義を貫くようにしています。予習、受講、復習復習復讐復習…積み上げる度にテキストを蛍光マーカーで汚していくワケですが、積み上げた軌跡をテキストに刻むこの作業もまた楽しいものです。因みに試験が終了してもテキストは捨てずに戦利品として全て残してあります。

 

<ルール其の3>教室の真ん中より少し前の位置に席を取る

 

最前線で受講する人、逆に最後列で受講する人。席を選ぶのにも個性が出ます。幸いTACでは受講中に”当てられる”事はないので黒板が見えさえすれば何処に座ろうが同じです。私の場合好みの席が真ん中少し前だというだけの事ですが、それでも人気の講座になると講義開始の40分前には教室に入らないとベストポジションが獲得出来ません。その為、私は何が何でも好みの自席を獲得する為に開始50分前には教室に入る事を自身に課しています。

 

<ルール其の4>他の生徒とは絶対に話をしない

 

私が極度の人見知りだという事が大きな要因ですが、そもそも予備校は「戦場」です。講義を受ける他の生徒は全て「敵」なのです(ネットでは”養分”と称されています)。

敵と馴れ合うのは戦場に於いて有るまじき行為でしょう。抑々勉強とは1人でするものです。

 

 

細かく言えばまだまだ己に課した(つまらない)ルールはありますが、これらは壮大な”願掛け”みたいなものです。

心構えとしては受講申込終了時点から戦いは始まっています。戦いに挑む前に神に祈り願を掛け、己の全力を以て正々堂々と敵に挑む姿は宛ら騎士や武将のそれです。

士たるもの、これほど胸を熱くするものは他に有りません。

 

 

数年前、社会保険労務士資格試験の受験要件を満たす為に行政書士試験合格を目指して大阪の予備校にて楽しい戦場ライフを送っていた最中、福岡県博多市に4ヶ月の長期出張を命じられ、その間TAC博多校へ転校するといった事がありました。

予備校と言えば大阪某所TACと決まっていましたが、同じ系列の他の予備校では勝手が全く違います。講義に於ける雰囲気、進行、質…。全てに於いて大阪とは異なる、まるで別の予備校です。

一例として博多校の行政書士講座では大阪では有り得ない生徒同士の親交が盛んに行われており、講義開始前や講義が行われない休日には有志が校舎に集まり空き教室を利用して合同勉強会を実施。

講義日には終了後講師を交えて”飲み会”まで開催されていました。アットホームというより仲良しサークルといった雰囲気です。

 

転校し、講義に参加した初日、隣に座った年配の生徒さんが私に向かって

「○○と申します。大阪から来られたんですか?大変でしょう。色々分からないことがあれば何でも聞いてくださいね。私、ここ長いんで(笑)」

という優しいお言葉をかけて下さいましたが、勿論私は自身に課したルール通り他の生徒との会話を禁じておりますので軽く会釈をするに留めました。

受験資格を得る為の受験という回りくどいチャレンジ「行政書士試験」は、絶対に1発合格しなければなりません。同じ戦場に2年も居る時間はなく、大阪の主戦場同様、妥協は一切許されません。私は徹頭徹尾己で課したルールを遵守し、全ての会話を”拒絶”し、合同勉強会や飲み会には一切参加しませんでした。寧ろ飲む時間を勉強に回せよと、心の中では己の戦場を冒涜された気持ちになり腹立たしい思いすらありました。

敵と馴れ合うのは戦場に於いて有るまじき行為でしょう。抑々勉強とは1人でするものです。

 

とある講義日、生徒の中で最年長の者が件の合同勉強会案内の為に全員の連絡先を収集しようとし、氏名・携帯電話番号・メールアドレスを書いて提出するようにと記入用紙を全員に配布しました。

私はその用紙に自分の名前を書いたものの、しかし電話番号とメールアドレスは記入せず、「情報は非公開でお願いします」とコメントを付け加えて用紙を提出。

翌講義の日、全員の連絡先が書かれた用紙が配布されましたが、私の箇所は小池百合子都知事宜しく「のり弁」のように黒く塗りつぶされていました。

 

この「のり弁」を見た時、私は「勝利」を確信しました。

私は博多という異次元の戦場でも一切ブレていない。自分の戦場として、自分の思うように戦えている。だから今までと同じように”敵に負ける事は無い”。

 

「のり弁」が、私を熱くさせたのです。

 

(その後出張は無事終了し大阪の主戦場に戻り、結果として1発合格出来ましたが、博多校の皆様もきっとご健闘された事と思っております。)

 

敵を自分で選び、自由に、我儘に、自分が信じるスタイルで戦うことが出来る「予備校」。

積み上げた者のみが勝者となる単純かつ公平な「資格試験」。

バトルマニアの皆様、是非とも我が主戦場においで下さいませ。

 

貴方を熱くさせるものが正にここにあります。