ミドリ草BLOG

ミドリ草BLOG

擦り切れそうな人間関係摩擦と経営者のワガママ暴言に辟易としつつ自己嫌悪と闘いながら今日も自立を夢見て

ボランティア、始めました。

f:id:negatio:20200118053527j:plain


 数年前、 会社の同期Aと40歳を超えた後の転職市場の厳しさについて話し合った事がある。

 

よほど特殊なスキルや経験、能力があれば別段、 先ずもって私のような40歳overは需要が少ない上に、 仮に転職叶ったとしても百万円単位で年収が下がる可能性が高い。当然、家計を現状の水準に保てなくなり、 家族には今以上に過酷な生活を強いることになる。

特に際立った取り柄のない私はすぐに「朝昼晩3食もやし料理」 を思い浮かべたが、今現在貯蓄もない我が家にとっては、 家計が赤字に転落すればもやしを購入し、 調理することも難しくなる…かもしれない。

 

同期であるAは自身が所属する部署の部長と、ソリが全く合わなかった。 資料を提出すれば毎回赤ペンで真っ赤になるくらいのダメ出し修正 をされ、ネチネチと嫌味を言われた。
部署での会議では出席者全員の前で滾々と仕事の段取りの悪さを説教され、そもそも指示が曖昧すぎてどうアクションを起こせば良いか分からない案件でも結果を急かされた。
事ある毎に嫌味を言われるが、 その際全員の前での公開処刑が既定路線であり、最後には必ずこう言われる。「 お前の為を思って言ってやってるんだ!」


私からすればこのような連綿と続くパワハラにAはよく耐えていた。時には私に資料の作り方や行動計画についてアドバイスを求め、 その都度2人で云々考えながら答えを出したが、その部長に通じた試しは1度もなかった。
終にAは顔の一部(目の下の辺り) が終日ビクビクと痙攣するようになり、 片目が少ししか開かなくなり、いよいよこれはマズイ、 我慢の限界だ。もう会社を辞めるしかない!となったのだが…

 

そんなAは今、遠く西の事業所に転勤となり、 新たな上司の下で伸び伸びと仕事をしている。 以前のような愚痴や顔の痙攣は完全に無くなった。いつも青白い顔で悲壮感を漂わせていたAが、口を開く毎に上司や会社の批判的な愚痴をこぼしていたAが、 今では少し色黒になり全身に精気がみなぎっている。 仕事は忙しく大変みたいだが、今は本当に楽しそうだ。

 

◆変化のない環境がもたらすもの

 最近身に染みて分かった事だが、労働環境はマンネリ化の後、 現状維持のままでは決して良くなることは無い。 特に人間関係は悪化しやすい。会社組織は人数の多少問わず、何某か定期的な環境への刺激が不可欠だ。

新入社員の入社、新しい取引先や担当者との出会い、 人事異動等々…社内環境変動系イベントは何と大事な事であろうか。 変化は本来喜ぶべきものであり、抵抗や防御をするものでは無い。

(転勤等生活環境に大きな変化をもたらす異動は喜ばしいばかりではないが)

 

しかし、かくいう私と言えば相も変わらずここ数年間、勤務場所や職務内容、人間関係に変化は何も無い。つまり、これは非常に危険な状態である。

 

事実として近年、他部署の部長たちと衝突するようになってきた。部署のトップと揉めると、往々その部署の大半のメンバーごと敵に回す事になり、結果、集団VS集団の泥沼構図が構成される。

自部署の部下の事を考えるとマネージャー同士の確執は何としても避けたい所だが、数年単位の長い時間の中で何の衝突も無く過ごす事は不可能ではないだろうか。

この人間関係バランスの取り方に、マネージャー達は日々意識やエネルギーを消費するわけだが、これにはいずれ限界が訪れる。そして近い将来、衝突は確執へと変わり、部署間の高い壁を作りだす。勿論大人気ないリーダーの責任は多大にあるが、結果、組織にとっては非常にマイナスな効果をもたらす。

 

◆環境を変える方法

 兎角人間関係のストレスに弱い私にとってこの状況を打破するためには、それこそ人間関係に対する環境の変化が必要だと思われた。いくつか考えた解決方法の中で、自分にとっても周囲にとっても最も現実的な選択をしなければならない。

 

1つは転職し、職場環境を一新してしまう方法である。文字通り、仕事に関する全てを一切合切新しく変えてしまう事だ。会社にしてみればラッキーかもしれないが、然しながらこれには当然上記のように大きなリスクが自身や家族に発生する。現実的な選択肢では無い。

次に独立開業してしまうという方法。言わずもがなではあるが、リスクは転職に比して途方もなく大きい。

同じ社内での転属願いも考えたが、これは今の自部署のメンバーとの、数年を掛けて作り上げてきた信頼関係を完全に破壊する。

その他環境変化を起こすために様々な方法を検討した結果、会社とは関係ないところで新たなコミュニティを形成し、新しい人間関係を作り出す事を思いついた。

 

新しいチーム。

 

新しい仲間たち。

 

このアイデアを思いついた時真っ先に考えたのがボランティア団体の設立だ。ボランティアをするには動機が不純な気もするが、どうせ創るならこれからの社会にとって取り組む必然性が高く解決が難しい、かつ誰もトライしていない課題に立ち向かう集団がいい。目標が高い程人々の結束は強くなる…。

誰にも迷惑をかけず、望む変化をもたらすにはこれしかない。

 

◆前向きな変化がもたらすもの

かくして昨年夏をもって、とあるボランティア団体を立ち上げるに至った。

当初、設立は3名程度で始めようと考えていたが、結果として10名を超える参加者が集った。

今現在、本年4月の本稼働に向けて月一会議を開催し、全員で運営方法やコンテンツ内容について話し合いを続けている。

 

所で、全く新しいコミュニティを創るにあたって私が考え設定した事は至極単純な事ばかりだった。

 

  1•活動の必要性

  2•設立の目的

  3•活動の結果に望むこと

 

以上をWEB上で表示し、賛同して活動に参加してくれるメンバーを募った。世の中広いもので、数ヶ月で思った以上に人が集まった。

参加の申し込みが有ればその都度希望者一人一人と面談し、説明し、参加の是非を丁寧に問うた。このボランティア団体設立を通して、私自身とても多くの事を学び、経験する事が出来た。

 

当初、人間関係の変化をもたらすといった不純な目的で設立を考えたものの、今ではこのボランティア団体のために、このチームのためにアイデアを出したり会議室を探して予約したり資料を準備したりする行為が楽しみに変わっている。

他人への理解を深め、老若男女関係なく対等な立場で意見をぶつけ合うのが、会議の度に団体が出来上がっていく様を実感するのが、雇用関係の外側で能動的に出来上がっていく組織を感じるのが、そして会議の後に皆と喫茶店で談笑するのが毎月楽しくて仕方ない。何より雇用関係といった特別な関係でもない様々な立場の人々が、たった一つの目的を達成する為に(少量ではあるが)費用と時間を費やして集い、仲良くなっていく様は言葉に出来ず神只々秘的だ。

このコミュニティのお蔭で当初解決を試みた人間関係への新たな変化をもたらす事は勿論の事、それ以外にも沢山のメリットを得る事ができる。

 

様々な事について言えることだが、消極的な選択肢を選ばず、積極的な攻めの選択肢を選ぶ理由がここにある気がしてならない。

 

この記事を誰が見るかは図らないが、もし時間があれば是非とも私たちボランティア団体のホームページをチェックしてみてほしい。

 

www.sien-ikkyuu.com