ミドリ草BLOG

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擦り切れそうな人間関係摩擦と経営者のワガママ暴言に辟易としつつ自己嫌悪と闘いながら今日も自立を夢見て

仕事を辞めてしまう前に考えるべき事

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 当社でも周囲の会社同様、若手から順に退職していく。

人材市場に於いて年齢は大きな武器となるので、自分のキャリアチェンジを考えて行動するなら絶対に早いほうが良い。30半ばを超えだすと、自分の理想ばかり追求して転職先を探す事は難しくなる。

40歳を超えると、転職後に期待を持てなくなる事も多い。余程のスキルや経験が無い限り、年収を下げる、あるいは不本意な職務を受け入れる等々、転職の際には辛い選択と妥協を求められる。

事実、当社をそれなりの年齢で退職していった従業員やマネージャー達の後日談を聞く限り、中々に冴えない職業生活を送っているようだ。

 

退職の理由は人それぞれ

  一般的に企業で行う仕事とは、就業規則や業務命令等様々な労働上の制約の下、限られた自分の時間を消費して行う生産活動を指す。

 

こと業務命令には果たして世のため人のため、或いは自分のために有益であるかどうか疑わしいものが沢山ある。然しながら通常(大企業のトップマネジメントはいざ知らず)我々のような中小企業の従業員には命令やトップの指示に対し有益性や有効性を自ら判断し、実行する/しないの決定を下す権限は無い。社歴を積み職制が上がろうとも、指示や命令の抽象度が上がるだけで自身の持つ権限の範囲にさほど変わりは無い。

与えられた立場や命令に対して不満を抱き、退職を考える方も多いだろう。

 

他にも「人間関係」に起因して退職を考える場合がある。

企業という人間集団の中で活動する以上、自分一人で全ての仕事を全うする事は不可能だ。通常は他者からの意見や評価の影響を受けながら仕事を進める事になる。仕事が出来る人も出来ない人も皆同じで、ここに一切悩みを抱かない人間は居ない。

目に見えず、コントロールも出来ない他人の本音や感情に右往左往しながら、時には積極的に周囲に働きかけて調整し、時には嵐が過ぎ去るのをじっとして待つ等場面や人、状況に応じて適切な対処を求められるが、必ずしも快方に向かうワケではなく、ともすれば想像を超えたトラブルに発展したりする。

ここに悩みやストレスを抱き、退職を考える。

 

他にも企業側からの圧力や勧奨、又は家庭や生活環境の変化による「外圧」をキッカケとして退職を考える場合もある。

退職を考える時期や基準、理由は正に「人それぞれ」であるが、本稿では「自らが主体的に退職を選択する」という行為について考えてみたい。

 

理由や立場は違えども過程は同じ

 一例として、企業での職業人生をある点から右側に伸びていく時間軸線に置き換えた場合、就職した時点からキャリアがスタートする(A点)。時間軸が伸びていく過程で様々な職務経験を積み、知見を拡大して、所属する企業内で職業人として成長していく。そしてある日、退職を考えるようになる(B点)。色々検討した結果、退職した時点でその企業における職業人としての経験は終わる(C点)。

通常この後転職活動を経て再就職という流れになるが、転職活動を成功させるには前職で培った知識や経験を有効に活用できる転職先を探すというのが一般的である。

中には前職と全く違う職務経験を求めて転職活動を行う人もいるが、それにしても組織人として学んだビジネスマナーやコミュニケーションスキル、機械操作スキル等の仕事に於ける基礎的な力を有効活用するハズだ。一念発起して起業し、独立開業する場合も同じ事が言える。

当然の事だが、勤め先が変わろうとも職業人生のスタートは上述のA点である。

 

B点では、大体の人が何某かのキッカケで現在いる職場とは別の職業人生を未来視点で考え始める。様々な情報を収集.分析し、キャリアチェンジに対するリスクを見積もった上で最終的な判断を下す。結果として退職を選択し、C点に至る訳だが、ここで1つ注意しなければならない事がある。

それは「社内評価は社外では通用しない」という事だ。

 

キャリアチェンジの失敗は得てして自己評価と転職先の評価の乖離、並びに情報収集不足にある。つまりB点ーC点間に問題がある。

転職を考える場合、先ずは自分の能力や経験を一般市場価値に置き換えて考える必要があるが、そもそもこれが難しい。明確な資格取得実績と、これに伴う実務経験が有れば評価もされやすいが、明確な基準がない自己の能力や経験を客観的に評価、判定出来る人間は自分も含めて存在しない。例えば面接官等は経験則を以て主観的に合否を判定しているに過ぎない。

自分の市場価値が主観的な評価によってのみ判断されるとなると、そこに明確な正解はあり得ない。そうするとキャリアチェンジが成功するか否かは正に運を天に任せると同義という事になる。そう未来の事は誰にも分からない。

本質としてはそうなのだが、人生の中で重大なウェイトを占める職業を運頼みだけで決めて決まって良いだろうか。

 

何か新しい事を始めようとする際は成功者の事例を参考にするだけでなく、失敗した事例を多く集め、客観的な視点で分析する。こちらの方がより重要な発見に繋がるからだ。キャリアチェンジに係る情報収集に関しても同様の事が言えるが、しかしながら退職の意思に比例して確証バイアスが強くかかる。

(※確証バイアスに関してはねこひげ先生様「ココロクエスト」記事を参照)

www.cocoro-quest.netこのような状態に至ると収集した情報が正しくても正しい判断が出来ない。いくら大量に情報を集めても、どれだけ時間をかけて分析したとしても、ともすれば自身にとって間違った分析や評価をしてしまう。

 

考える事の重要性

コントロールできない自分の未来や周囲や市場からの評価に対して我々は実に無力だ。謙虚な姿勢で丁寧に周囲からの意見を広い、時間をかけて様々な可能性を比較検討しようとも、想像した未来とはかけ離れた現実が待っている事もある。

だからといって諦めて何もせず、流れに身を任せてしまうというという選択をしてしまう訳にもいかない。年を経る毎現実は厳しくなっていく一方、責任も重く圧し掛かるようになるからだ。

私たちに出来る唯一の事は「今を考える」という事しかない。

有りもしない未来を想像するよりも、現在の視点に立って他に何か出来る事は無いか。有事の際に役に立つ能力を一つでも身に付けて置く方法は無いか。

視点は「今」が重要だ。

 会社は永遠には存続しない。今いる組織も数年後には無くなるか、若しくは形が全て変わっているかも知れない。

勿論退職や転職を検討しなければならない時が来るかもしれない。

 

そうなってしまった時、より有利な影響を与えてくれる能力や経験は、今の環境下には全く無いだろうか。

キャリアチェンジの可能性を広げる為にも、理想の未来に近づくためにも、今自分が経験しておくべき、もしくは経験したい仕事は今の環境下にないだろうか。

 

会社組織は狭いようで広い。

専門性が高く且つ汎用性のある仕事をしている人達が、どんな会社にも一定数存在する。どうせなら全てを経験し、自分の能力として蓄積する方がコストパフォーマンスは良いのではないだろうか。

仕事を辞めようと思ったら、先ずは身の回りを「今」という視点で見渡してほしい。

きっと新しい可能性が見つかるはずだ。

 

今現在の職場環境に問題があり、それでもただ一人で耐えなければならない人もいるだろう。苦境に立たされ孤独を感じた時、我々の視野はどんどん狭くなる。

そんな時は同僚や家族に慰安の状況を素直に話すのが一番良い方法だ。アウトプットする事で不思議と問題が整理され、狭まった視点は自ずと広がってくる。

それでも悩みが解決しないときは是非、我々のボランティア団体を頼ってほしい。

www.sien-ikkyuu.com