ミドリ草BLOG

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擦り切れそうな人間関係摩擦と経営者のワガママ暴言に辟易としつつ自己嫌悪と闘いながら今日も自立を夢見て

「偶然」の活用

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先日、ねこひげ先生が運営されている「ココロクエスト」にて、下記の記事を拝読した。

 

www.cocoro-quest.net

 

 この中での一言。

その出会いや出来事の始まりは「偶然だった」かもしれませんが、あなたが「チャンスに変えた」結果なのです。

 

同稿の中ではスタンフォード大学心理学部のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された「計画された偶発性理論」にも触れておられた。

 

 「計画された偶発性」は野田稔先生が書かれた「組織論 再入門」の中でも下記のように取り上げられている。

 

クランボルツは、「人生の重要なことは、ほとんど偶然で決まる。だから、偶然をまず受け入れよ。」という。しかし漠としたものであれ、自らに望むべき方向性があれば、自分にとって都合のいい偶然がより起こりやすいような行動は起こせる。これを称して彼は「Planned Happenstance(計画された偶発性)」と言っている。これが今のキャリア論のスタートだ。(出展元:組織論 再入門:野田稔

 

 大雑把に言うと、自分のキャリアは思った通りにはならないが、大筋の方向性は決めることが出来、その方向性に添った行動を取るようにすれば、望んだ自分に近づく”偶然”は起こりやすくなる。

 

そして、その為の行動指針等は上記記事や書籍でも紹介されているが、概ね下記の通り。

 

  • 好奇心(一定の広がりを意識して興味を持つ対象を広げる)
  • 持続性(こだわりや信念は大切にし、簡単に諦めてはならない)
  • 柔軟性(当初の計画にとらわれず、予想外のチャンスを活かす。ストライクゾーンを広く取る)
  • 楽観性(どんな結果になっても自分にとって役に立つと捉える)
  • 冒険心(積極的に攻める、リスクを取る)

 

つまり、

普段から幅広く色んな事に興味を持つように心がけ、仕事が上手くいかない時でも諦めたりしょげたりしない。社会環境や自分の置かれている状況は刻々と変化するので、キャリアプランはいくつかの可能性を準備しておき、大きな方向性(漠然としたキャリアプラン)に則って自身の環境を変える(チャレンジする)。そうする事で望ましい”偶然”が起きやすくなる。故に望むもの(キャリア)が手に入る可能性が高くなる

といったところだろうか。

 

正しく”もがく”という事

 

自身のキャリアプランを考える上で、「計画された偶発性」という考え方は大いに参考になる。

「絶対宇宙飛行士になる!」といったプランより、

「宇宙科学に携われる仕事がしたい。」と考えた方が断然キャリアを実現出来る可能性は高くなる。

キャリアの広がりを意識した方が活動のバリエーションも増えるし、何より”ツブシ”が利く。

大きな方向性を決めるのが何より難しいと思うが、なりたい職業に就いた先、何を目的に活動したいのかをイメージ出来れば目指すべきキャリアのベクトルを決める事は出来る。

 

しかしながら、上記の行動指針はどれも難易度が高く、簡単には完遂できない。

どの程度まで実行できれば良いのか基準もないし、成功する根拠もない上に時間的な制限もある。これはあくまで可能性の話なのだ。

きっと「運」もかなり必要になるだろう。なにせ相手は「偶然」だ。

やりたい事を仕事に出来る人は少ない。

 

しかし我々に、もし望むキャリアがあるのであれば、簡単に諦めるワケにはいかない。

自分の為にも家族の為にも、試行錯誤し四苦八苦して人生を歩み続けねばならない。

その上では”正しくもがく” という事を知らなければならないと思う。

 

本稿では”正しくもがく”事の1つとして「楽観的」について、ほんの少しだけ考えてみたいと思う。

 

「偶然」を「必然」とするもの

 

例えば…

私は今の会社の中で、特に総務部長が嫌いだ。

何を提案しても否定的な意見が返ってくる。これまでも様々な企画を話し合ったが採用・実行に至ることは僅少である。

総務部長は「リスクテイク」を口癖のように言う。最近の彼の最もぶっ飛んだ発言は「従業員を雇用すること自体が既にリスク」である。

こんな彼なので部下に対するパワハラ発言も意に留めない。

彼はとにかく合議を絶対視する。そのため、事ある毎にミーティングを開き部員を招集する。会議室の机のレイアウトを少し変えるだけでも「ミーティング」を開催する。ミーティングは内容に係わらず最低1時間以上に及ぶ。社内規定の改定など、考えただけでも気が遠くなる。

彼と一緒に仕事をするのは時間の無駄だとしか思えないし生産性の欠片も感じられない。こう思ってしまっている以上、彼の発言は全て「嫌な事」にしか聞こえない。

 

 

上記のような考え方は「柔軟性」や「楽観的」行動を欠く結果となる。

「嫌い」「メンドくさい」といった感情は、物事から”吸収する”姿勢を奪うただの障壁でしかない。障壁を除いて総務部長との仕事を考え直してみれば、きっと吸収できるポイントが数多く見つかるハズだ。

 

  1. リスクテイクが口癖:リスクを見積もる能力と視点を吸収できる可能性あり。
  2. 合議を絶対視:合意形成の技術やファシリテーションを学ぶ機会に。
  3. パワハラ発言:反面教師としてパワハラの実例集を作るときに役立つ。

 …等々。

 

見方を変えれば自分に役立つ事が周囲には幾つもある。

嫌いな人、ソリが合わない人との出会いも「偶然」であり、捉え方によっては”チャンス”になり得る。

つまり感情的に周囲の人間や仕事を取捨選択していては「計画された偶発性」は発揮されない。偶然を必然として活用出来ないのだ。

 

どんな事でも”ポジティブ”に受け止めるよう意識する、というのが”正しいもがき方”ではないだろうか。