ミドリ草BLOG

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擦り切れそうな人間関係摩擦と経営者のワガママ暴言に辟易としつつ自己嫌悪と闘いながら今日も自立を夢見て

研修というブルジョワタイムについての私見

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本日、公正取引委員会が開催する「下請法基礎講座」を受講するため、徳島県の鳴門市まで行ってきた。

 

私は社内研修を企画、実施するというのが職務の1つだ。

毎年色んなカリキュラムを考えては情報収集し、時には専門機関に通ったりして研修内容を組み立て、テキストを作成し、毎月1回のペースで社員全員に「勉強会」という名の研修を実施している。

そして予算の都合上、外部から講師を呼ぶ事は少ない。

 

色んなネタを用意してみたが、社員の集まりは正直な所悪く…出席率は全体を通して40%を超えた事が無い。当然経営層からは毎回厳しいお言葉を頂くし、仕事上の目下1番の悩み事となっている。

 

1つの研修が完成するまで色々ある

 

今回は社長の「鶴の一声」により、下請法を研修テーマとして取り上げる事となった。

下請法下請法……本屋に行って下請法の書籍を数冊ピックアップして購入し、当社の事業内容に照らして参考箇所を特定し、要点をまとめて、2時間程度で話せる容量にテキストを作作り込む……といった作業が想定されるが、そうなるとかなり時間を使うし、法改正があれば作ったテキストをアップデートして全員に再配信するのも効率が悪そうだ。

何か系統だって基礎的な部分だけ教えてくれるような重過ぎない外部研修は無いかと探した所、あった。

毎年、公取が実施してくれていた。

 

資料も配布されるだろうし、そのまま使えば法的にも100%合致するだろう。何より自分で資料を1から作らなくてもいいし、毎年参加すれば資料を自分でアップデートする必要も無い。

これはしめた!と昨年中に申し込んでおき、徳島県鳴門市に出向いた。

 

研修は公正取引調査官なる人が講師となり、実務上の注意ポイントを、過去に扱った事例等を交えながら分かりやすく講義された。

お世辞抜きに分かりやすくて良い研修だったので、法律はもとより研修の作り方自体も凄く勉強になった。

 

不都合な真実は適度に調整を

 

さて、この「下請法基礎講座」で得た内容をそのまま会社で研修するとどうなるか。

 

「…当社は発注段階に於いてバリバリの違法状態です。」という事を社員の前で研修を担当してる同じ会社の社員(つまり私)が言う事になる。

 

これでは良くないと言う事で、研修内容は事前に役員を含む関係者に相談する。

 

法に適合していない、若しくはグレーな部分は研修ではカットしたりソフトな伝え方にするよう調整します、という調整手順を挟む事になる。法律系の基礎研修は必ずと言っていいほどこの手順が付きまとうのは、当社だけではないハズだ。そして、ココが何より大変で面倒臭い。関係者の思いや考えがバラバラだったりするからだ。

また、正確な法的知識を身につけた社員からの造反を関係者は異常に警戒する、というのもある。これは労務系の研修の時にその影響が如実に現れる。

正確な知識を社内に流通させ、世の中のルールに則って営利活動を継続的に行うようにするための法律系研修であるハズだが、当社では最終的に忖度の塊になった上で皆にアウトプットされる。だとすると、そもそもこんな研修に、果たしてどれ程の意味があるのか…。

少しづつでも関係各所に働きかけ、適合しない部分を”出来るだけ”正すようにしなければならない。明日からも頑張ろう。

 

まぁ…100%法律遵守っていうのもあまり現実味は無いんだが。

 

社員研修を通じて学ばねばならない事

 

私は2年前までバリバリの営業マンだった。入社以来法人営業部に所属され、忙しい毎日を過ごした。その頃は現場での経験を最優先させ、社内の研修なんて受けるだけ時間の無駄だと考えていたし、何なら朝礼や会議の類も極力参加しないようにしていた。なので研修に参加しない気持ちも分かりすぎるくらい分かる。

 

だから、当時の自分に言ってやりたい。

 

学ばない者には成長は無い。

 

研修では現場で経験出来ないような事も勉強できる。より多くの学びを得る事は自身の見識を広げ、仕事は勿論の事、自分自身の今後の人生に役立つ。

学びは最も安価で安全なドーピングだ。その機会を無視するなんて勿体ない。

(そういう意味では研修担当者が1番得をしている。)

 

企業面接で学歴を問うのは、別に良い大学を出ているから頭が良いだろう、という基準だけではない。

勉強に費やせる時間は皆同じだ。

同じ時間の中でより効率的に勉強し、より高い目標をクリアしたかどうかを問うている。

効率的に勉強する能力があり、学びに貪欲な人間は成長意欲さえキープ出来れば優秀な人材に成長する可能性が高い事を企業は知っている。

 

”学ぼうとする姿勢”こそ、我々社会人に必要な事であり、学ぶべき事だと思う。