ミドリ草BLOG

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擦り切れそうな人間関係摩擦と経営者のワガママ暴言に辟易としつつ自己嫌悪と闘いながら今日も自立を夢見て

タイムマネジメントについて

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働き方改革が声高に言われ始めてから、同時に「タイムマネジメント」という言葉も良く聞くようになった。

 

当社でも2年前から「時間マネジメント」をテーマに社内研修を実施するようにしているが、参加率は決して高くない。

「時間マネジメント」という字面から、至極初歩的な社会人としての注意事項(例えば「5分前行動」とか「スケジュール帳を持ち歩こう」といった内容)であると想像されているからかもしれない。

勿論、研修の内容はそういった「基本的な注意事項」も含まれるが、「時間をマネジメントする事」の本来の目的や必要性、マネジメントに期待する効果といった部分を重点的に説明する内容で構成している(つもり)。

 

以下、自己チェックとして自社で行う「時間マネジメント」研修内容の構成と概略を振り返る。

 

仕事術1「時間マネジメント」について

 

ⅰ 時間マネジメントの必要性
時間マネジメントは「個人の成長のための必須条件」である

成長を支える条件の1つは「重要なことに集中する事」であり、集中に必要なものは「意思決定」と「時間管理」である。(Peter.F.Druker)

我々労働者の資源は「時間」であるから、投下した時間という資源を最大化することで得られる成果を大きくすることが可能となる(ハズ)。つまり、個人が成果を出せるかどうかは「時間の調整能力」が決定的な役割を果たすという事になる。

ここに時間マネジメントの必要性がある。

 

ⅱ 時間マネジメントとは?

アポイントメントやタスクを整理して、何時に何を行うのか、といった行動を管理するのは一般的に「スケジュール管理」と呼ばれる。これは原則として”約束を守る”為に行われる。

これに対して「時間マネジメント(時間管理)」とは、”時間の使い方”を計画して実行し、時間当たりの生産性を高めることを言う。つまりスケジュール管理と時間マネジメントは全く違う概念であり、ゴールも異なる。

 

ⅲ マネジメントの考え方とその方法
我々の持つ時間という資源は、総理大臣でもビルゲイツでも同じ「1日24時間」。

この限られた時間を上手にマネジメントするには、【時間は有限である事をちゃんと意識し、細切れになった時間をも1まとめにして、最大限投資可能な状態にする】という考え方を持つ必要がある。

 

マネジメントの方法は至ってシンプルであり、上記の考え方を基に

  1. 時間を記録する(自分がどんな活動に時間を消費しているかを可視化する)
  2. 時間を整理する(いらない仕事は捨てたり他人に任せたり、または時間を浪費する原因を探る)
  3. 時間をまとめる(整理して得た自由な時間を可能な限り連続した1つの時間としてまとめる)

という手順を踏む事でマネジメントが可能になる。

(だからスケジュール帳やGoogleカレンダーを有効に活用しようゼ!)

 

ⅳ 時間を”作る”という事とその方法 

仕事の進め方や生活習慣を見直すことで無駄な時間を省いていくことが、結果として時間を得ることに繋がる。

例えば、下記のような状態を見直すことで無駄が省ける。

 

◆習慣に起因する無駄の発生源

  • 朝ぎりぎりに出社する → 朝のゴールデンタイムを有効に使う
  • 就寝時間/起床時間がバラバラ → 体調のムラをなくし、ベストコンディションを保つように
  • ちゃんと休憩をとらない(PCや資料を見ながら昼食をとる) → ちゃんと疲取ることで午後からの仕事の効率も上がる
  • 完璧主義 → 8割を最低限の時間でアウトプットする事を心がける
  • うっかりミスを連発する → 書き留める習慣をつけてウッカリをなくす
  • 怒られたら落ち込み方がハンパない → 落ち込み時間は仕事の効率が悪い。自分なりの気晴し方法を見つけて即効リフレッシュを

◆段取りに起因する無駄の発生源

  • 周囲からの頼みごとを断れない → 優先順位を決めて仕事をする
  • メールは即返信する → 返信する時間を決めて、まとめて処理する

◆環境に起因する無駄の発生源

  • PCのデスクトップがトっ散らかっている → 整理して情報検索しやすいように
  • 書類やデータは念のため、とりあえず取っておくようにしている → 1年前のものは捨てる。どうせ使わない

◆コミュニケーション不足に起因する無駄の発生源

  • 覚えの悪い後輩にはついついキツく当たってしまう → 丁寧な指導がいずれチームの生産効率を上げる
  • 「報告が足りない」と上司によく注意される → ホウレンソウの見直しで注意される時間を省く
  • 職場ではほとんど雑談しない → 仲間意識の醸成がチームの結束力を高め相互援助作用が生まれる

 

タイムマネジメント」は見方が変われば目的も変わる

 

 

時間マネジメントを仕事術の一環として見ると、「段取り良く効率良く仕事をこなして空き時間を作り、もっと沢山の仕事が出来るようにする」という捉え方になる。上記研修もそのような見方で構成している(なにせ社内研修なので)。

確かにアウトプットが多く、質も合格なら優秀(所定労働時間内での話)な社員であり、経験値も多く稼ぐだろうから出世も早いかもしれない。

しかしこれでは「従業員」の域を出ないのではないか、と思う。

タイムマネジメント」は技術ではなく概念であり、もっと精神論に寄ったほうが個人的には納得感がある。

 

私が考えるタイムマネジメントの意義はこうだ。

 

「自分を変えたいなら時間の使い方を変えれば良い」

 

人間の習慣は日々の習慣から生まれ、日々の習慣は”時間の使い方”から生まれる。従って自分を変えたいなら日々の時間の使い方を変えることで可能になる(行動心理学より)。

自分はこれからどんな人生を歩みたいのか、その為にはどんな事にどれだけの時間を使わなければならないのか、といった目標があり、その目標に沿って日々の生活で消費する時間をコントロールする。これが「タイムマネジメント」の本質ではなかろうか。

 

時間をマネジメントするのに本当に必要となるものは「目標」、「勇気」、「ワガママ」であると私は考えている。

 この「目標・勇気・ワガママ」が、所属する企業のベクトルと合えば個人の能力は如何なく発揮され、使用者被用者共にWinWinの関係になれると信じている。

 

タイムマネジメントは自分の未来マネジメントであり、ひいては自身のキャリアマネジメントである。これからの社会の荒波を泳ぎ切らなければならない我々労働者にとっては最重要課題の一つなのである。(なのでコレ系の研修には皆さん参加しましょうね。)